http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20091217-OYT8T01508.htm

埼玉県のご当地キャラ【コバトン】が事業仕分けされていなくなる日は来るのか、それとも……。

ゆるキャラ(R)、ご当地キャラのサポーターにじっくり読んで頂きたいのが読売新聞(2009/12/18)の「コバトンPR効果は来年10歳」という記事。

以下、簡単に記事内容を紹介すると、埼玉県の「県民の鳥」シラコバトをモチーフにしたコバトンは、元々は2004年に埼玉県で開かれた国体のマスコット。国体が終わった後も埼玉県のマスコットとして活躍を続け、8体ある着ぐるみ(1体44万円)もひっぱりだこ、グッズ販売も2008年度は834万円と好調だったという事です。

しかし、記事の後半では
・浦和レッズの試合会場では、相手サポーターからは「何あれ?」との声が上がる
・コバトンが観光客を増やしたという話は聞かない
・シラコバトがモデルだけに県外での知名度は低く、埼玉県のキャラクターとして認知されにくい「欠点」も抱える
などという辛らつな表現も。さらに記事は桜美林大の鈴木勝教授(観光マーケティング論)の
自治体のキャラクターが多い中で、結婚した、子供ができたといった展開がないと関心をひくことができなくなっている。何を、誰にアピールしたいのかを明確にし、効果をきちんと検証することも必要
というコメントで締めくくられ、前半で持ち上げ後半で落とすというある意味新聞記事の王道をいった表現で完結しています。

ここで考えたいのは、そもそもご当地キャラクターは「一生懸命活動すれば必ず知名度が上がる」という存在ではないという事です。記事の中では【ひこにゃん】と【せんとくん】が成功例として取り上げられていますが、ひこにゃんが一大ブレイクしたのも、著作権関連のトラブルがメディアで多く報道されたからですし、せんとくんも「キモい」と話題になったのがそもそものきっかけです。

どちらも予期せぬ形でメジャーになったのであり、関係者の様々な努力はあったにせよ、偶然的要素が大きかったのは間違いありません。この記者がどういうつもりで「抜群の知名度で、観光客誘致にも役立っている」と書いたのか、筆者にはよく分かりません。

地域やキャラクターの「ブランド価値」をあげるのは、なかなか大変な作業です。恐らくこの記者はその辺の「戦略が必要」という事を言いたかったのではないかと推測しますが、シラコバトがモデルというのが「欠点」と書くあたりに、言いっ放し、書きっぱなし的な無責任さを筆者は感じます。

「ひこにゃんは猫というありふれた動物をモチーフにしているので、他のキャラクターとの差別化が難しい欠点がある」とは、誰も思わないでしょう。一体誰がコバトンの「欠点」を指摘したのでしょうか?

確かにコバトンはマイナーで観光客誘致に役立っているとはいえない状態なのかもしれませんが、建設的でない報道姿勢に筆者は疑問を感じます。コバトンが「事業仕分け」でリストラされないよう関係者の奮起を願いつつ、この記事を終わりにしたいと思います。

Text by 内田 勉