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ゆるキャラ(R)まつりin彦根2009の一コマ

「みんなヘトヘト」「先行きが見えない」ゆるキャラブームの行方は?という記事を書いてから、キャラクターの運営って結構大変なんだなぁというのが徐々に分かってきたのですが、違う視点から考えてみると、キャラクターの運営って将来性があるかも! と思えてきたので、今回はちょっとした議論を投げかけてみたいと思います。

表題のような事を考え始めたそもそものきっかけは、Tech Wave編集長の湯川鶴章さんの講演「会社内での独立した生き方と、会社からの独立」(詳細記事)を聞いた事でした。講演の内容は簡単にいうと、時事通信の記者をしていた湯川さんが会社を見限ってBlogメディアを作って独立。2人体制で運営し、半年で300万PVを達成すれば黒字化するはずなので、みんな暖かく見守ってね、というもの。

その辺のノウハウ的な部分については、ライブドア・メディア事業部長の田端信太郎さんが自分のBlogCNETITmediaなどで詳しく述べています。要約すると、良い記事をBlogに書き続けていれば、AdSense広告の収入だけで十分食べていけますよ、という主張です。1PVあたりの広告収入がどれくらいになるのかは語られていませんが、0.4円と換算すると、月120万円の売上。1人当たり月60万円の売上になる計算です。これに講演やコンサルなどの収入があれば、十分食べていけるでしょう。

これをご当地キャラクターの世界に置き換えてみたいと思います。

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ローカルヒーロー首都決戦での一コマ

キャラクターの中に入る人と、それをサポートする人の2人体制で運営すると、ちょうど湯川さんのところと同じ人数です。以前東京カワイイTVで紹介された某キャラクターさんのBlogは1日2000PVという話でした(議論の本質じゃないので匿名にしておきます)。月300万PV(1日にすると10万PV)必要と仮定するならば、あと50倍のアクセスがあれば、Blogだけで黒字化できる計算になります。

1日10万PVというのは途方もない数字のような気もしますが、芸能人のBlogだと、もっとアクセスのある方も沢山いらっしゃいますし、去年(2009年)のゆるキャラ(R)まつり開催時には、公式ページのアクセスは1日10万PVを超えていました(アクセスカウンター表示による)。

もう少し現実的に、ある地方都市のご当地キャラがいたとして、どれぐらいのアクセスが期待できるか考えてみます。ここでは、人口100万人の政令指定都市とその周辺の市町村をあわせて200万人ぐらいの人口をかかえる地域を想定してみます。キャラの名前はジモティーくんという事にしてみましょう。

ジモティーくんのBlogのアクセス数を計算してみます。地元の住民の約半分がインターネットユーザーだとして、そのうち20%の人が週1回Blogにアクセスしてくれるとすると、月80万PVです。これは目標値300万PVの26%で、売上にして月32万円です。まだまだ足りませんね。

そこで地元の商店街のお店にスポンサードしてもらう事を考えます。ジモティくんのチーム(といっても2人)が地元商店街の宣伝をまるごと引き受けます。1軒あたり月3000円(ぐるなびと同じ金額?)の運営費を集めると100軒で30万円です。会費を払ってくれたお店には頻繁にジモティくんが訪れたりBlogで商品を取り上げたりするサービスが付きます。また、ファンクラブも作ります。年3000円で500人の会員がいると、月12万円の売上です。この他にパーティーやイベントへの出演が1回5万円で月2回ほどあるとすると月10万円の売上。加えてキャラクターグッズを売上げた粗利が月10万円ほどあるとします。

以上を合計すると、月94万円の売上になり、なんとか2人がギリギリ生活していけるレベルになりそうです。もちろん、全体的に大甘な見積もりなのはあるとしても、決して不可能な数字ではないような気がします。自治体などから予算が出たりすれば、もっと楽になります。

欲をいえば、もっとBlogで売上が立つと、また違った展開になると思います。ではどうしたら良いのでしょうか? 筆者が湯川さんからいただいたアドバイスは「英語でも書くこと」。なるほど、海外からのアクセスがあれば、PVあたりの広告単価も高いですし、対象とする人数の母数も増えます。もっとも、海外に対してどうやってご当地キャラクターをアピールしていくのかは、皆目見当もつきませんが。

なぜこのような事を考えるのかというと、自治体の予算だけで運営しているキャラクターは、ある日突然「事業仕分け」されてしまう可能性があるからです。昨今のご時勢だと、選挙でトップが変わったり、ブームが去ったりしたら、せっかくみんなで育てたキャラクターがいなくなってしまう可能性があります。それよりは、地元の有志や商店街などが中心になってキャラクターを育てた方が「突然死」の可能性は少ないと思うのです。その為に、経済的に成り立つような運営方法を考えなければなりません。

例えば、存続運動が続いている【たねまる】くんなども、きちんと運営を継続できるのなら、市に頼らなくても、有志で権利を譲り受けるなり買い取るなどして、育てていく事ができるようになるかもしれません。

この件については、引き続き読者のみなさんの意見を募集したいと思います。この記事のコメント欄かTwitterの @yurui_jpかハッシュタグ「#chara_manage」。もしくはメールフォームまでご意見お願いします。

Text by 内田勉