?トライ・ミライ・旗

百万本の曼珠沙華が花ざかりを迎える、埼玉県日高市。ここで2010年9月26日まで「高麗郷(こまごう)文化フェスティバル」が開かれていました。

奈良時代初めの、716年(霊亀2年)。朝鮮半島の国・高句麗(こうくり)から、王族などが移り住んで、この地を高麗郷と名付けました(高麗というのは、高句麗の日本での呼び方です)。 高麗に移り住んできた高句麗の人たちは、曼珠沙華で有名な巾着田を開墾。高麗神社を建て、高麗の王・若光様をまつり、この土地に朝鮮半島の文化を伝えてきました。 高麗神社というと、出世の神様として全国的に有名です。 強力なパワースポットとして知られており、参拝者がぞくぞくと訪れます。 朝鮮半島に縁があることから、最近は韓流ドラマのファンもたくさん来るんです。

9月19日。この日、高麗神社では「高麗郷文化フェスティバル」として、雅楽の奉納がおこなわれていました。

?雅楽

神社の中を見渡すと、高句麗の文化を伝える展示が。 当時の朝鮮の衣装を再現したものですね。大陸的な色彩感覚。きれいです。 さらに、玄武(亀)など想像上の動物を描いた、高句麗の古墳の壁画の模写図も。 高句麗を舞台にした韓流ドラマのポスターまで、展示されていました。

?民族衣装

会場には、こんな歴史少女マンガ風のキャラクターの看板が掲げられていました。

?トライ・ミライ

年の頃は10歳前後? 衣装をひらひらさせて、踊っているバージョンもあり、なんだか楽しそうです。 商店街などに掲げるフラッグもあります。このあたりでは、大々的に宣伝しているみたい。

この子たち、【トライ君】と妹の【ミライちゃん】、そして【ナビにゃん】です。 トライ君というと、鳥取県や東大阪市などにも同名のキャラはいますが、彼らとは無関係です。 それにしても、トライ君たち。 いつからキャラクター化されたんでしょう? よく見ると、トライ君の首には【せんとくん】が。 せんとくん、こんなところで一体、何をしているの? さっそく、社務所の方に伺ってみました。

―トライ君とミライちゃんは、どこから生まれたんですか?
「彼らは、この壁画から(と、壁にある絵を指し)生まれたんです」

?壁画

なるほど。壁には、おそらく以前から掛けられていたと思われる、高句麗の壁画「狩猟図」が掛けられていました。 トライ君は、この絵に出てくる、狩装束を着た人にそっくりですね。ミライちゃんの衣装も、古代の高句麗の壁画に描かれていた女性からとったそうです。

Q:トライ君とミライちゃんのデザインは、プロのデザイナーが考えたのですか?
「いいえ。神社の関係者がデザインを考えました」 ほお、プロのデザイナーじゃなかったんですか。器用な方ですね。

Q:社務所の前にもトライ君・ミライちゃんがいますね。でも、せんとくんや、まんとくん、なーむくんのぬいぐるみまで、一緒にいます。いったいなぜでしょう?
「はい。高麗郷では2016年(平成28年)に、高麗郡建郡1300年を迎えます。トライ君・ミライちゃんも、その記念事業の一環として生まれたのです。ちょうど、奈良では平城遷都1300年を迎えているということで、同じ『1300年』を記念して、タイアップすることになったのです」

トライ君・ミライちゃん。全国的にメジャーな、せんとくん・まんとくん・なーむくんのお友達でもあったんですね。隅に置けないですね。

Q:では、奈良に行ったら、平城遷都1300年のイベントで、トライ君・ミライちゃんに会うことができるかも知れませんね?
「はい。もしかしたら、パンフレットの隅のほうにでも、イラストが描かれているかも知れません」

う〜ん。もしあったら、見てみたいですね! トライ君・ミライちゃんの謎は解けたわけですが、ナビにゃんは?と、ちょっと気になってしまいました。 そうだ、あとで神社の関係者の方に、もっと詳しく聞いてみよう。

せんとくん人気にあやかって、トライ君・ミライちゃんの人気も、上昇してほしいものです。建郡1300年イベントが終わってからも、高麗のキャラクターとして、末永く愛されるといいですね。 せっかく、せんとくんとお友達なのですから、2次元ではもったいないかな? 今のところ、彼らは着ぐるみ化の予定はないそうです。 でも、もし着ぐるみがあったら、トライくんたちが、せんとくんたちに会いに行って、曼珠沙華の花束なんかを、渡したりできるかも知れません。

後日、高麗神社にFAXを送ってみました。 すると、なんと、トライ君から、お返事が届きました。 せんとくんたちとの関わりや、ナビにゃんのことを詳しく書いてくれました。 とても素敵な内容だったので、みなさんにもそのまま、お伝えしますね。 トライ君、どうもありがとう。

?トライ・旗

?ナビにゃん 

はじめまして。ボクはトライくんです。 FAX読みました。応援してくれて、ありがとうございます。 ボクは、高麗(こま)の歴史や魅力を皆さんにお伝えしたくて、高句麗の壁画から飛び出してきました。 今年は「平城遷都1300年」ということで、奈良ではせんとくんを中心に盛り上がっていますよね。ボクも遊びにいきました。

2016年は、高麗(こま)郡が置かれてから1300年になるので、ボク達は「高麗(こま)郡1300年祭」を計画して、色々内容を練っているところです。おそれながら、「平城遷都1300年祭」も参考にしたいと思っています。 716年、ここ武蔵国に「高麗郡」が置かれたことは、710年、本格的な日本の首都の「平城京」が定まったことを受けて、この律令国家制度を地方にも波及させようとする都の政策の延長線上にあると考えられます。奈良は朝鮮半島からの渡来人もたくさん活躍した土地ですし、旧高麗郡である渡来の郷ここ「高麗(こま)」と、「奈良」や「平城京」とは、色々ご縁が深いんです。 そこで、今年の高麗(こま)神社の催しは、すべて奈良と関わるものにして、「『平城遷都1300年祭』ゆかりの地ネットワーク事業」にエントリーしたんです。だから「平城遷都1300年公式ガイドブック」にも、高麗神社の催しが載っているんですよ。さすがにボクは載ってないけどネ。 せんとくんは奈良で、とても忙しそうでした。今年の高麗神社の催しでは、奈良と関わるせんとくんや、まんとくん、なーむくんのぬいぐるみを飾っています。 ゆかりの地のキャラクターなので、高麗(こま)の郷でも、たくさんの人に見てもらいたいからです。というワケで、ボク達も「平城遷都1300年祭」を応援しているんです。いつかせんとくん達と、もっと仲良くなれたらいいなって思っています。 さて、ナビにゃんのことを、こっそりお教えしましょう。ナビにゃんは、ネコ型の妖精で、時々ボクとミライちゃんの前にあらわれてくれるんです。どうやらボクらにしか見えないようです。ボク達が迷った時には、蝶々のついた長いしっぽで、行くべき方向をナビしてくれる、大切な大切な友達なんです。 これからもボク達のことを応援してくだされば、とっても嬉しいです。取り急ぎ、「奈良」との関わりや「ナビにゃん」について、お便りしました。うまくご説明できたでしょうか。お便り1枚、送信いたします。では、失礼いたします。
トライくん より

※高麗の里では、平年より10日ほど遅れて、巾着田の曼珠沙華が見ごろを迎えています(10月中ごろまでの予定)。巾着田は、高麗神社から徒歩20分ほどです。今後、高麗神社では、10月3日に「高句麗流馬上武芸」が、10月19日に「高麗神社大祭」が開かれます。

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Text by 滝 玲
Photo by 栗山 潤