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みうらじゅん氏が語る「ゆるキャラ」とは

『ゆるキャラ論』という本でみうらじゅん氏にインタビューした際に語っていた、「ぼくの好きだったゆるキャラはもういない」という言葉は衝撃的だった。

かつて「ゆるキャラ」とは、地方のお偉いさんがノリと権力で強引に作り上げてしまったがゆえに面白かったのだ。

子どもたちが気持ち悪がって寄り付かないデザインや、素人丸出しのヘタな演技、脇の甘い設定やストーリー、それをあえて面白がることが「大人のたしなみ」であり、「粋」だったのだ。

しかし、現在はプロのデザイナーや広告代理店が参入し、「くまモン」に代表されるように、かつての「ゆるさ」は影を潜めてしまった。

そして、完璧なマーケティングによって生み出されたキャラクターたちが人気を博し、本当にゆるいキャラたちは、次々に作られては人知れず埋もれてゆく。

この連載では、過酷な「ゆるキャラ戦国時代」に生を受け、やむなく戦いに飲み込まれてしまった、ゆるくないキャラたちを紹介していこうと思う。

ゆるキャラ界の超新星ふなっしー

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今回紹介するのは、すでにテレビやネットでブレイク寸前の船橋の非公認キャラ「ふなっしー」。下記のようなニュースにもなっているので、すでにご存知の方も多いだろう。

まずは下記URLのニュースを見て欲しい。

『オリコンスタイル』芸能ニュース - ガッキー、全国ご当地キャラと共演ふなっしーのキレ具合に苦笑い

それまで無名だったふなっしーが、ある日突然『アサヒ十六茶』のCMに大抜擢され、47都道府県54キャラという「その他大勢」的な扱われ方にも関わらず他のキャラを圧倒し、今をときめくアイドル女優のハートをゲットしててしまったのだから驚きだ。

しかも、CMの中ではほんの小さく背景に映りこんでいるだけにも関わらず、その異様な動きと記者会見でのハイテンションが注目を浴び、2月11日放送の日本テレビ『スッキリ!!』では司会の加藤浩二に投げ飛ばされるなど、スタジオを大いに盛り上げたのである。

CM放映前には2,000ほどだったツイッターのフォロワーは、CM後には加速度的に倍増。

2月9日に、ビートたけしが出演するTBS『情報7daysニュースキャスター』で特集が組まれた翌日、新船橋のイオンモールには、300名を超えるファンが集まったという。

そして、前述の『スッキリ!!』で人気は沸点を超え、ネット上でも話題になったこともあり1万人を超えた。

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『情報7daysニュースキャスター』では「くまモンに強力なライバル出現!」というナレーション付きで紹介されたふなっしーだが、実は過去に、本当にくまモンのライバルとして勝負していたことを知っている人は少ないだろう。

2012年10月に東京都品川区・大崎で開催された『ゆるキャラ(R)サッカー大会』で、ふなっしーは驚異的な身体能力で決勝まで勝ち進み、くまモンとゆるキャラ界に残る名勝負を繰り広げたのである。

その詳しい模様は、また次回、紹介しよう。

_SL500_AA300_Text by 犬山秋彦

ライター兼デザイナー。戸越銀次郎・大崎一番太郎など、ご当地キャラのマネージャーでもある。

近著:『ゆるキャラ論』(共著者:杉元政光)