日本でも春以降にワクチン接種が進み、今後は各種自粛要請が解除される見通しになり景気の回復が見えてきた。しかし世界的な景気回復期待によって円安や資源価格の上昇が進行しており、それが今後日本経済の回復に水を差す恐れがある。
原油価格が高騰している
2021年になって世界ではワクチン接種が進み、日本でも少し遅れて春以降に本格的に接種が行われている。接種が進めば感染リスクは低下し経済活動の正常化も可能になるため、日本や海外の接種が進んでいる国では景気回復が見えてきている。しかし景気回復に伴い、原油価格を中心とした資源価格が高騰してきている。7月5日のOPECプラスの会合で減産延長で合意できなかったことが材料となり、6日には国際的な原油価格が上昇し2018年につけた77ドルの高値を更新した。
また為替市場では円安・ドル高が進行している。これはアメリカのインフレ率が高まりつつあり、早期利上げ観測が高まっていることが1つの大きな要因。
円安と資源高が物価高を起こす
ドル/円などの為替レートと原油などの先物価格はさまざまなウェブサイトでも見られるが、リアルタイムで両方とも見るにはメタトレーダー4が良い。メタトレーダー4は世界的に利用されているトレードツールで、為替や先物だけではなく主要な株価指数などもリアルタイムのチャートで見ることができる。円安と原油などの資源高が進行すると、日本国内で物価が上昇する。物価の上昇は市民の購買力を削ぎ、景気回復に水を差す恐れがある。
完全回復はまだまだ先
日本国内ではワクチン接種が進んでいるので、今年中にはおそらく国民の50%以上が接種を終えるだろう。そうなるとこれまで発令されてきた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発令されなくなり、各種自粛要請も解除されて景気は回復に向かうことが考えられる。だが海外では接種が進んでいない国もまだまだある。またデルタ株などの変異種が多くの国で猛威を振るっているため、海外旅行が以前のように自由にできる日々はまだまだ帰ってこない。
つまり自由な海外旅行の再開は当分難しく、旅行以外でも大規模イベントや飲み会・宴会などは以前より制限が緩くなっても感染に気を付けながら行う状態が続く。コロナウイルスが存在している限り、日本経済が2019年以前のように完全復活することは難しい。またすでに述べたような円安と資源高による物価高の問題も考えられるため、今後1~2年は厳しい状況が続くだろう。
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