超大質量ブラックホールが揺れる影。 M87の過去の観測データを解析| sorae宇宙のポータルサイト

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国際協力プロジェクト「イベントホライゾン望遠鏡(EHT)」が撮影に成功、M87の中心に超大質量ブラックホールの影(Credit:EHT Collaboration)

1年半前に2019年4月には、国際協力プロジェクト「イベントホライゾン望遠鏡(EHT:Event Horizo​​n Telescope)」は、乙女座の方向約5500万光年の楕円銀河「M87」の中心部に位置最高品質ブラックホール影の撮影に成功したことを発表した。 公開された写真(先頭に掲載)には、太陽の65億倍の質量があるとされるブラックホールをめぐり、非対称環状の構造が計画されています。

今回のハーバードスミソニアン天体物理学センターMaciek Wielgus氏卵の研究グループは、2009年から2013年まで得られたM87中心の超大質量ブラックホールの観測データを分析した結果、このリング状の構造が揺れながら8年間続い存在したことを示唆し、結果を得ることができるとする研究結果を発表した。

EHT 2019年に公開された画像は、2017年4月に実施された1週間の観察で得られたデータをもとに作成されています。 研究グループは、2017年の観測データを2009年以降に行われた過去の観測データとの比較することを試みた。 ただ、過去のデータは、ブラックホールの影を画像化する情報量があまりにも少ないため、統計学的手法を用いて観測データを最もよく説明することができる形状のモデルが導出されています。

2009年から2017年までに観測されたM87の中心の超大質量ブラックホールの様子(モデル)と観察を実施したEHTの観測網を示した図である。 モデルの中心から見たリング構造の明るい部分の方向が変化していることがわかる(Credit:M. Wielgus、D. Pesce&the EHT Collaboration)

分析の結果、2009年から2017年までの8年間の観測データから得られたブラックホールの影の直径しかし、アインシュタインの一般相対性理論で予測された直径と一致していたことが分かったといいます。 研究に参加したマサチューセッツ工科大学秋山和徳さんは「M87中心核の姿と、その中心にある影の起源がブラックホールの方が確実です。」と言います。

また、過去の観測データの分析を通じて、非対称リング構造明るい部分の方向が時間に応じて揺れる変化している様子も捉えました。 今回の分析によってブラックホールに流れるガスの流れが事象の地平面近くで時間に応じて変化する様子を研究者は、最初に垣間見ることができたそうです。 これらのブラックホールの周辺地域は、光速に近い速度で噴出されるジェットが生成される方法と一般相対性理論の新しい検証方法を確立する上で重要視されています。

現在EHTは、グリーンランドの望遠鏡が加わった2018年の観測データの分析が行われており、2021年からは二つ(米国、フランス)望遠鏡が観測に参加する予定です。 EHTプロジェクトの科学者を務めるGeoffrey Bower氏は「ブラックホールの研究では、興味深い時期を迎えています!」とコメントしています。

関連:光さえ脱出できないほど重力が強い天体「ブラックホール」とは?

画像クレジット:M. Wielgus、D. PesceとEHTコラボレーション
出典: EHT日本の / EHT
文/松村武宏

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Omori Yoshiaki

ミュージックホリック。フードエバンジェリスト。学生。認定エクスプローラー。受賞歴のあるウェブエキスパート。」

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