AMD16日(現地時間)HPC向けアクセラレータ “AMD Instinct MI100」を発表した。AMD Instinct MI100はFP32(単精度浮動小数点)演算時の性能は、最大23.1TFLOPS、FP64(倍精度浮動小数点)演算時の性能は11.54TFLOPSであり、NVIDIAは、この春に提供を開始したNVIDIA A100を上回る性能を実現している。
FP64演算時の性能は11.54TFLOPS、FP32演算時の性能は23.1TFLOPSでNVIDIA A100を上回る
FP64演算時の性能は11.54TFLOPS、FP32演算時の性能は23.1TFLOPSされ、それぞれNVIDIAが、今年(2020年)を発表したNVIDIA A100のFP64時9.7TFLOPSとFP32時19.5TLOPSを上回っている。
しかし、NVIDIA A100発表時TF32(FP32とFP64のハイブリッド方式)と「Structural sparsity」という密度行列(Dense Matrix)疎行列(Sparse matrix)に置き換え演算する新しい方式の採用を明らかにしている。
したがってTF32は156TFLOPS、TF32 + Structural sparsityで312TFLOPSしているが、こちらは、ソフトウェア側の対応が必要となるため、現在のソフトウェアFP64とFP32演算をさせた場合には、AMDがNVIDIAを上回っていることをされている。
両社の発表を表にすると以下の通りである。
[표 2]AMD Instinct MI100とNVIDIA A100の性能比較 | ||
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AMD Instinct MI100 | NVIDIA A100 | |
FP64 | 11.54TFLOPS | 9.7TFLOPS |
FP32 | 23.1TFLOPS | 19.5TFLOPS |
FP32マトリックス | 46.1TFLOPS | 312TFLOPS※1 |
FP16 / FP16マトリックス | 186.4TFLOPS | 624TFLOPS※2 |
Bflot16 | 92.3TLOPS | 624TLOPS※2 |
INT8 | 184.6TOP | 1,248TOPs※2 |
INT4 | 184.6TOP | 2,496TOPs※2 |
※1 TF32 + Structural sparsity有効時
※2 Structural sparsity有効時
GPUの演算装置のみ利用FP64とFP32はAMD Instinct MI100を超える。 一方、Tensor Coreは、専用の演算器とStructural sparsityも使用することができINT4、INT8、TF32、Bfloat16演算時などには、NVIDIAのA100が高いピーク性能を発揮することができていると言えるだろう。
AMDは、AMD Instinct MI100の発売によりNVIDIAが提供するCUDAに対応したソフトウェア開発キット「ROCm」の最新版となるROCm 4.0リリースも発表した。
ROCmでCUDAコードをロードAMD Instinctで使用できるコード変換ツールなどが用意されており、簡単にAMD Instinctためのソフトウェアを作成することができるようになる。 今回ROCm 3.0未完成だったHPC向けアプリケーションのサポートなどが行われ、より多くの用途にAMD Instinctを使用することができるようになるということだ。
AMD Instinct MI100は、今年末までに発売が予定されており、AMDのチャネルパートナーを通じてなどで販売される。 また、今後数カ月以内にDell、HP GIGABYTE、Supermicroなど、OEMのシステムに組み込まれて販売される計画である。
Zen3が第3世代のEPYCは今期中に発売
AMDは、同社のデータセンター/ HPC向けのCPUとなるAMD EPYCに関する情報も更新された。
それによると、11月に出荷が開始された第4世代Ryzen(Ryzen 5000シリーズ)採択されたCPUアーキテクチャ「Zen3」を採用した次世代AMD EPYCがまもなくリリースされるという。
Zen3を採用したEPYCは「第3世代EPYC」という製品ブランドが第4四半期に選定されたHPCユーザーとクラウド事業者向けに出荷が開始されるという。公式発表は、来年(2021年)第1四半期が予定されている。
Intelも今年中に2ソケット用の次世代製品「Ice Lake-SP」の発表を計画しており、年末から来年にかけてのデータセンター/ HPC向けのプロセッサの競争がより激しくなるようだ。
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