観測された星の数は18億以上の宇宙望遠鏡「ガイア」の最新のデータが公開される| sorae宇宙のポータルサイト

宇宙望遠鏡「ガイア」による最新の観測データ」EDR3」をもとに作成された全天画像（Credit：ESA / Gaia / DPAC）

欧州宇宙機関（ESA）は12月3日宇宙望遠鏡「ガイア」による最新の観測データ」EDR3（Early Data Release 3）」を公開しました。先頭の画像はEDR3のデータをもとに作成された満天の詳細画像です。ガイアは天体の位置と運動について調査アストロメトリ（位置天文学）専門宇宙望遠鏡で、2013年の発売以来、太陽と地球の重力が似合うラグランジュ点の一つ “L2″で観測を続けています。

今回公開されたEDR3に18億以上の星の位置と明るさに関する情報が含まれており、その中で約15億の星内容は演奏時差と固有運動（星までの距離と天球の星の見かけの運動）が記録されています。ガイアの観測データは、2016年（DR1：Data Release 1）と2018年（DR2：Data Release 2）に公開されているがEDR3はまた、長期間の観察を通して固有運動の観測精度がDR2に比べて2倍に向上しているとします。

ここでは、EDR3をもとに作られた、太陽から326光年（100パーセク）以内にある4万個の星について今後160万年に予想される地球から見運動を示した動画です。 ESAによると、EDR3に同じ範囲に存在する星全体92％と推定される331312星のデータが含まれているとします。 ESAのガイアのサブプロジェクトの科学者を務めるJos de Bruijne氏は「ガイアの新しいデータは、天文学者に宝の山と約束する」と述べた。

星の位置と動きを精密に観測するガイアのデータは、銀河の未知の歴史を紐解きています。 2018年公開のDR2をもとにしたこれまでの研究は、私たちの銀河系が100億年前の「ガイア円ケラドス（ガイアソーセージ）」と呼ばれる他の銀河と衝突・合体したことや、約57億年前から約10億年前にかけて「射手座矮小楕円銀河」と3回に渡って衝突したことなどが明らかになっています。

DR2で明らかになった天の川（Milky Way）と射手座の矮小楕円銀河（Sagittarius dwarf galaxy）の衝突の歴史を示した図面である。時間の流れは左から右→左から右下の順（Credit：ESA）

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今回EDR3を用いた研究も既に開始されています。地球から見て銀河の中心とは反対（すなわち、私たちの銀河の外側）方向の古い星で若い星までの動きをガイアデータ処理および分析コンソーシアム（DPAC）に所属した研究者が分析した結果、私たちの銀河の平面で見たときに、一方の星は飛行機に向かってゆっくりと動いている一方、片方の星は飛行機に向かって急速に動いているという意外な動きを発見したとします。その原因として射手座矮小楕円銀河と比較的最近起こった衝突この影響を与えている可能性が挙げられます。

また、EDR3をもとに、私たちの銀河の伴銀河である大マゼラン銀河や小マゼラン銀河星を分析した研究は、大マゼラン銀河がらせん構造を持っているすることができ、明確に表示されたそうです。また、今回公開されたEDR3は2段階で行われるデータ資料の前半において、正式リリースは2022年予定されています。