世界的な快挙後の予算削減謎天文台・水沢観測所と研究者の考え – Yahoo! ニュース

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EHT日本チームの一員として、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の茂み観測所の研究者である秋山和徳氏はこう振り返る。 大学院生時代VERAの4つのアンテナからのブラックホールを観測して、自分の研究の中核技術を磨いていった。 現在は、抽象的な観測データを画像に変換する重要な部分のリーダーを務めている。 水の予算が激減して、今後のVLBI分野の研究者が出なくなることはないかという懸念がある。

秋山和徳さん

「正直なところ、VERAに参加していなかっ今日の自分はなかったと思います。国内で望遠鏡が消えてしまうと、新しい技術と装置を開発し、最先端を開拓していこうという意識を持った研究者が成長困難かという心配です」

しかし、国立天文台の全体の予算を見ると、それほど大きくは減らなかった。

国立天文台の運営予算は、大規模な学術フロンティア推進事業予算(フロンティア予算)と運営費交付金の2種類の予算に分かれている。 フロンティア予算は、ハワイのすばる望遠鏡などを使った世界中の3つの大規模なプロジェクトに割り当てられ、それ以外のプロジェクトの資金運営費交付金に充当される。 その運営費交付金の総額は、2018年度62億円、2019年度61億5000万円、2020年度61億3000万円で横ばいで推移している。

国立天文台の運営費交付金の推移。 国立天文台の予算は、運営費交付金と大型望遠鏡の建設と運営に充てフロンティア予算からなる(図版ラチカ)

たとえ水の予算のみ前年比半分になった。

歴史的な水の駅

JR東北本線水沢駅から徒歩約20分。焼石岳西に必要な住宅街に水沢VLBI観測所はある。 精密な天体観測をするときは、人の活動から発生するノイズも妨害する天文観測施設の立地には珍しい。

「このあたりはもともと一面の畑でしたいつの間にか住宅街になりました」

本間氏はこう言う。 水の前身は、1899年に設立された緯度観測所。 120年以上の観測の実績がある。 本館の隣を通り過ぎ境内を歩いてみると、VERAアンテナの一つになる直径20mの大型電波望遠鏡が表示される。

水沢VLBI観測所の前身である緯度観測所は、国際共同観測を実施するために、北緯39度08分に建設された

本間さんが水の今年の予算が大幅に削減ことを知ったのは、2019年12月。 国立天文台全体も毎年の予算が減ったある程度の減額は覚悟していたという。

「少しでもコストを抑制しようとすると観測機器の製作と望遠鏡のメンテナンスなどはメーカーに依存せず、可能な限り自分でやっていました。今年は、キャンパス削っ回数も減らした」

そんな本間さんもVERA 4台を維持していないほどの減額は、想像していなかった。 予算案が発表されたとき、「果たしてではないか……」と思ったという。

「VERA 4台運用できるように天文台執行部に対して予算の検討を何度も歩いて互いにました。共同研究をしている大学も影響を受けるので、関連大学の教員現象を言って、大の長さ、今後の要望も出しました」

水沢VLBI観測所では、経費節減策の一環として、それぞれのアンテナに搭載観測機器もスタッフが自作している

国立天文台は、大学共同利用機関という性格が自分の運用だけでなく、様々な大学と連携して研究を進めている。 予算が急減すると連携する大学への影響も避けられなくなる。

鹿児島大学は、鹿児島県の入来アンテナを国立天文台と共同運用しており、VERA操作メンバーでもある。 この大学助手の中川アキ修氏は、大の長さ送る要請に名を連ねた一人だ。

研究する大学生も影響

「もし水のアンテナを使用することができなくなると、私たちは、学生と進行している研究計画が狂ってしまう、これまでも、メンテナンスの予算が減るなどの変化がありました。しかし、プロジェクト自体がぶちと切ること事態になったのは今回が初めてです。 “

鹿児島大学理工領域理学系工学研究科助教授の中川アキ修氏

中川氏は、VERAプロジェクトで、10年以上の古い星の観測を続けてきた。 星の位置の決定は、少なくとも1年は必要だとする。 したがって、2〜3年程度の中長期計画を立てて観測を進めていく。 VERAで新たな成果が見え始めたところで、突然プロジェクト終了の話が現実味を帯びてきた。

大学での研究は、学生の教育の側面も持っている。 鹿児島大学の学生と大学院生はVERA観測を通じて天文学者としての教育を実施して多数の論文を発表してきた。 中川氏は言う。

「卒業論文、修士論文などを書くことはもちろんのこと、VERA観測成果は、それよりも格が高い専門誌検討した論文を書く貴重な機会を提供した。地方大学の学生にそのような論文を書く経験を得ることの重要性は非常に大きい。その機会を奪われてしまうのは大きな損害であり、方向回り国立天文台の損失もなると思います」

水沢VLBI観測所の20m電波望遠鏡

天文台が初めて直談判

中川氏は、2020年3月中旬、他の大学の教員と一緒に国立天文台台長の常田サク氏面会した。 VERAの最近の研究成果を説明した後で、VERAプロジェクトの存続を訴えた。 しかし、10日余り後に水の予算が半減することが正式に決定した。 中川氏はすっぽりきた。

「説明をきちんと聞いてくれているようですが、その合図と反応は一体何だったのだろうと謎ました。同じ人が下した判断は考えていませんでした。」

海外でクレジットを損なうことはないかという懸念も提起された。 VERAの4つのアンテナは、国外の研究機関とも連携してきたからである。 例えば、韓国の3つのアンテナと合同で観測する日韓合同VLBI観測網(KaVA)KaVAを拡大し、中国などのアンテナを追加、東アジアVLBI観測網(EAVN)。 これらのプロジェクトの中心的な役割もVERAの4つのアンテナにあった。

韓国や中国と合同で観測する東アジアのVLBI観測網(EAVN)(図版:国立天文台)

本間さんと一緒に研究をしてきた国立天文台調教た和弘氏は、東アジアでの観測網の性能の大幅な後退を指摘する。

「VERAアンテナが4個で1つになってしまうと、KaVAはもちろんEAVNも解像度、感度も低下し、観測が非常に困難で.VERA、KaVA、EAVNは国内だけでなく海外の研究者と大学院生も観測データを使用して研究を続けています。日本が一方的にVERAアンテナを中断してしまうと、国際信用問題に発展する可能性もあります」

VERAプロジェクトが6月に終了したというニュースに衝撃を受けたのは、天文学だけではなかった。 岩手県在住の木村隆氏は、VERAサポータークラブという自発的な団体をはじめ、VERAの継続を求める署名活動をウェブ上で実施した。

「子供たちは、水の電波望遠鏡を見ると、目を輝かせ質問します。水以外の望遠鏡を固定してしまえば、現地でわくわくしながら望遠鏡の様子を見ていた子供たちの夢を終わらせてしまいます。これは、将来の日本にとって大きな損失になると感じました」

木村隆氏。 インターネットと直筆を合わせて4000筆以上の署名を集めた。今年11月に文部科学省に提出する予定である

事態が給電し、追加予算

木村は6月萩生田光一文部科学大臣に作業継続を求める要望書を提出した。 この問題は、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会でも取り上げられた。

彼ら功を奏したのか、6月に事態が給電した。 大の長さの裁量により予算が配分されているリーダーシップのコストで5000万ウォン程度の予算が追加されることが決定してVERAの今年の分の予算はわずか確保されたものである。

この措置に関係者は安堵したが、危機感がなくなったわけではない。 中川氏は言う。

「今している研究計画、観測計画が半年間は続くという安心だけです。来年度の方はまだ白紙であるため、 “

は天文台執行部は、水とVERAプロジェクトをどのように考えているのか。 大の長さの常田さんに取材を要請した。

(撮影:編集部)

天文台最高の考えは

調布飛行場に近い東京都三鷹市の国立天文台。常田氏水予算が半分になった理由を尋ねると、「非常に難しい問題である」と言葉を惜しんだ。

「VERAプロジェクトは、私たちの銀河の3次元地図を作るという趣旨の下、今までのユニークな試みとして評価が行われてきました。一方、開始から20年近く経過して、このまま続けて現状以上の成果が出るかは、厳格な指摘が2019年外部評価委員会であった。また、国立天文台全体の予算も人件費などが増加し、研究プロジェクトに使用できる金額が制限されることが顕在化し、予算反感を決定しました」

国立天文台台長の常田サクさん(撮影:編集部)

VLBI技術を発展させてEHTなど世界的な業績に寄与した水研究の評価は高いという。 しかし、常田氏は、「EHTの評価と私たちの銀河の地図を作るの評価は分けて考えた」と述べた。

VERAプロジェクトは、元の2022年3月に終了する予定だった。 本間さんを含む多くの研究者は、4つのアンテナを活用する新しいプロジェクトに切り替えている青写真を持っていた。 しかし、予算が半減してVERAのアンテナのうち3台が止まってしまうと、その青写真は大きな変化を余儀なくさ新しいプロジェクトへの移行が困難になってしまう。

「これは心情でした。私も以前は小さな観測プロジェクトリーダーをしていたので、小さなプロジェクトの悲哀は知っていたつもりだったが、このような事態になって不便をお掛けてしまったのは反省しています。決定を下す前に、当事者とよく会話をすると良かっただと思います」

観測が止まってしまうと、人材育成はできません、日本のVLBIチョンムンハクガ消えてしまう可能性がある。 そんな批判があるのは常田さんも知っている。 一方、組織のトップに常に意識しているのは、資金の財源=税とする。

「私たちが研究を継続することは、国家の予算があっています。研究費として国から交付される予算の使い道は、私たちの研究にかかっています。その予算を日本のために最も良いように使用する責任があります。その基準はどのような科学的成果を見るものです。予算が有限である以上難しい決断をするしかない場合もあります。 “

(撮影:編集部)

追加予算の背景

今年6月に措置された約5000万円の予算は「リーダーシップ経費」という大の長さが持つ特別な基準であった。その決定をしたのは、新しい観測計画の提案があったからだという。

「リーダーシップ経費申請時鹿児島大学などのアイデアも取り入れ、VERAの特徴と利点を生かした新たな観測計画を水で提案してくれました。この提案は大で委員会の評価も高かったので、リーダーシップ経費に予算措置を決定しました。 “

また、常田氏は続けた。

「新しいVERA観測計画は2年計画で提案されたものです。まだ年度の半分にしか過ぎない段階で言うのも何だが、個人の意向では、来年度当初予算でサポートいこうと思っています。 “

しかし、2022年4月以降の日程は未定である。 VERAアンテナを活用した新しいプロジェクトは、電波天文学コミュニティの提案をお待ちしており、その内容を検討していくという。

「ミジュウン研究者からも、現地で愛されている観測所だと思います。長い間積み重ねてきた実績とブラックホールなどの成果があったので地元の人が大挙応援署名活動などもありました。そこに私も感動したし、重く受け止めていました。この1年半の新しい観測結果から、以下のリンク科学の芽がきちんと成長することを期待しています “

(撮影:編集部)

新しいプロジェクトへの期待

一部の天文学者たちは、「VLBI(超基線電波干渉法)将来の計画ワーキンググループ」を発足VERAプロジェクト終了後に観察計画について議論を開始した。

このグループのまとめ役、山口准教授の新沼コータロー氏は「議論を重ねて、次世代VLBI観測の象徴となるようなトピックをまとめて2021年の春までに、国立天文台執行部に提案したいと思います。学生がVLBI研究をしたいと考え、同じ環境を作っていきたい」と語った。

水所長本間氏は、最悪の状況を回避することができた安堵しながらも、2022年4月以降も4つのアンテナの運用を継続することが重要であるとする。 4つのアンテナは、維持管理をしっかりとしているため、今後10年程度は使用することができようにこのように続けた。

「アジアの電波望遠鏡との連携を強化し、科学的に興味深い観測もあり、日本の存在感を示しことができると思います。 今後10年先を見てもVLBIはますます楽しみです」

世界のと連携した大規模なVLBI観測網が構築されるようになると、日本の電波望遠鏡がより重要な存在になるだろう。 今後、日本のアンテナを利用して、いくつかのプロジェクトを進行していることは、今後の天文コミュニティの知恵にかかっている。

経舩良孝(荒船・吉高)
1973年埼玉県生まれ。 科学ライター/ジャーナリスト。 「多くの人に科学を分かりやすく伝える」をテーマに、1995年から活動。基礎から応用までの科学の現場を取材して、本や記事を多数執筆。主な著書には、「5つの謎からわかる宇宙」「ニュートリノと出る?スムーズに知る素粒子・ニュートリノ・重力波」「思わず人に話したく地球まるごと奇妙なクイズ」など。公式note

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Omori Yoshiaki

ミュージックホリック。フードエバンジェリスト。学生。認定エクスプローラー。受賞歴のあるウェブエキスパート。」

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